責任感は押しつけることができない。
責任感は、家庭やコミュニティで鳩首されたもろもろの価値を糧にして、内側から育っていくしかない。
子どもの中に責任感を育てるには、親の側にある程度スキルが必要になる。
子どもがどんな感情を抱いても、それを感じるのを認めるという態度と、その感情を扱うために容認できる方法を示す、というスキル。
子どもの気持ちを感じ取る。
子どもが考えたり感じたりしていることに興味を持ち、子供の振る舞い、表向きの従順さ、反抗的姿勢と言ったものだけではなく、そうした行動の引き金になっている感情に反応する。
理解する。
理解しているということを示す。
批判や非難ではない言葉で示す。
子どもは自らに与えられるものから学ぶ。
もし、始終批判にさらされていれば、責任感を学ぶことはない、自分自身を非難することや、他人の欠点をあら捜しすることを学ぶ。
また、自分自身の判断を疑うこと、自分自身の能力をさげすむこと、他人の意思を信じないことを学ぶ。
そして、とりわけ、また罪を宣告されるのではないかと絶えず危惧しながら生きることを学ぶ。
「子どもの話にどんな返事をしてますか?」ハイム・G・ギノット著 菅靖彦訳